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『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』 文庫化です!

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』 がとうとう文庫化されました!

解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯 (河出文庫)解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯 (河出文庫)
(2013/08/06)
ウェンディ・ムーア

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18世紀イギリスに実在した解剖医 ジョン・ハンター の型破り人生を、活き活きと描いたノンフィクション。
もちろん、マンガ 『解剖医ハンター』 の原典にして、そもそもの出発点である一冊です。
単行本版 『数奇な生涯』 はしばらく入手難状態になっていたようですが、
今回の文庫化でよりお手頃な価格で読めるようになりました。
実在の医師を扱ったノンフィクションといっても、
本書は、軽快かつユーモラスな文体で、「んなアホな」エピソードを連発する、
奇想天外・目ウロコ読み物です。 目一杯楽しめます。
今回は、この本の紹介とともに、マンガ版との関係について少し記しておきます。
(いまさらな話題ではあるのですが、興味のある方もおられるかも…ですので…)


マンガ 『解剖医ハンター』 は、あくまで史実を基にした「フィクション」です。
ジョン・ハンターの生涯を忠実に再現する「伝記マンガ」ではありません。
ですから、原典 『数奇な生涯』 とは異なる、設定・描写も数多く存在します。

最大の相違点は――
実在のハンター先生は 「美形の解剖医」 ではなかった!
てところですかね… (笑)

マンガ化にあたって、
時系列や事件の単純化、要素の整理といった「アレンジ」は、当然ながら施されています。
また、2巻 [バスカヴィル家の獣] 篇などは、実際のハンターの生涯とは距離をとった内容になっています。
もし、先に 『数奇な生涯』 を読了した後に、マンガを目にした読者の方がおられたら、
あるいは違和感を覚えることも多かったかも知れません。

ただ、マンガ家としてのわたしの個人的な吐露になってしまいますが……。
わたしは、ジョン・ハンターという人物の本質、
そして 『数奇な生涯』 という書物のエッセンスに、背くことのないアレンジを心がけていました。

ハンターとは何者か? と言えば、
「生涯をかけて、真理を探究した人間」 です。
ですから、その人物を扱うのであれば、フィクションといえど、調べられる限りの「事実」を知ったうえで描きたい。
史実と異なる「嘘」を描く場合でも、
頭の中で練っただけの空想で済ませることなく、
可能な限り、資料にあたったうえで、読む人が納得できるリアリティラインを探したい。
それが物語上の説得力につながるはずだ……。
もちろん「マンガとしての面白さ」を優先するのは大前提条件として、
ある種の誠意をもって臨みたかったのです。

数奇な生涯・文庫版

もちろん、『解剖医ハンター』の企画を開始するにあたって、わたしなど
「18世紀イギリスって……なに? どんな服着てたんすか…?」
というスーパーど素人状態だったので、
歴史背景やら時代風俗やら解剖資料やら、なにからなにまで
「全部調べる」以外に手段が無かったわけですが……(笑)

わたしはマンガ家であって、
医学・生物学・英国史――いずれの研究者でも専門家でもありません。
資料収集にも限界があり、作中のミス・間違いは避けられません。
そもそも「事実関係なんか無視して、ハッチャケた創作をしたほうが面白いのでは…」
という意見もあるでしょう。
世に出た作品の評価は、読む人の裁定におまかせします。


――と、余計な駄文はこのへんに留めて(笑)
原典たる 『数奇な生涯』 に戻りますよ!
『数奇な生涯』では膨大な量のハンターの奇人エピソードが扱われており、
マンガで引用した事件や要素は、本当にほんの一部です。
単純に時系列を見ても、マンガ内では

 「現在」[1770~1773年]
 「過去」★ハンター修行時代 [1749~1752年]
     ★七年戦争時代 [1761年]

しか描いていませんから、
その他の時代――とくに1793年死去までの20年間は全く手つかずです。
しかし、この期間には、重要かつ超絶なエピソードが満載です!
 [アイルランドの巨人]の遺体奪取!
  死刑囚の蘇生実験!
  世界初の自然史博物館!
  そして進化論ぶちあげ!
もうページを繰る手が止められませんから、是非とも読んでみてください!

マンガ連載中は、必ず作業机の傍らに『数奇な生涯』を常備していました。
迷ったりつまずいたりするたびに、ページを開き「正解」を探す、まさに「バイブル」でした。
この文庫化の機会に、『数奇な生涯』を手に取って、
マンガとの違いも楽しみつつ、ジョン・ハンターに親しんでもらえたら……
ひとりのハンターファンとして嬉しいです。
いや、本当にマンガのことは抜きにしても
異常に面白い本なので、読んでみてー!!!(^o^)


さらにハンターマニアの人へ……。
文庫版『数奇な生涯』では、新しい口絵図版が1点加わっているよ!
ドリトル先生のモデルにもなった [アールズコート別邸の動物園]だっ!
わたしはなんぼ調べても見付けられんかったのにーっっ!
マンガに描きたかったぜーーー!!!
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ジャンル : 本・雑誌

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黒釜ナオ

Author:黒釜ナオ
Nao Kurogama(Manga Artist,Storyteller)
マンガ家です。兵庫県神戸市在住。
『魔女のやさしい葬列』連載中(月刊COMICリュウ)
コミックス第1~2巻・発売中(徳間書店リュウコミックス)

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19世紀英国ゴシックファンタジー。 花と血と魔女の謎物語。
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